先日、おひとりでお客様がおみえになりました。お会いするのはその日が2度目、40代後半の男性の方です。
お客様はシングルモルトをオンザロックで飲みながら、他にお客様もいらっしゃらなかったので3時間以上もお話したでしょうか。
お客様の「引き出し」の多さに驚きましたが、お客様との会話の中で、大変印象に残った言葉があります。
「ワインは人と人とををつなぐものでありたい。ワインがもとで喧嘩したりしてはいけないですよね。誰もがお互いの価値観を認め合わなくちゃ」と、私。
「でもさ、すべての人がお互いに認め合って、何もいさかいの起きない世界って、天国のことだろ。この世の中って言うのは、天国のような世界もあれば、その一方で戦争や殺人とか畜生のような部分もある。この『混沌』『カオス』こそがこの世なんだよ」
「だから、狭い考えやいさかいもこの世の一部なんだって思えば、なんか楽しく思えない? どうせいつかは、あの世に行くんだぜ」と、お客様。
私「なるほどー。それも人生の『旨み』になっているんですね」
お客様「『旨み』か...いい表現だね。うん、そのとおりだね」
毎日起きる嫌なこと、つらいこと、楽しいこと、疲れたこと...。
これらすべてを楽しむ。おもしろいな、って思う。そう考えたら、気持ちが少し楽になると思いません?