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AOCボルドーおよびボルドー・シュペリウールのワイン生産者連合は、2019年6月28日に総会を開き、気候変動に適応した新たなぶどう品種7種のAOC規定への導入を満場一致で承認しました。
AOC規定では、気候変動に適応したこれら対象となるぶどう品種は補助品種として指定されており、その作付面積は5%までとされ、2020年から2021年にかけて植樹される予定です。
なお、今後数カ月以内に INAO(国立原産地名称研究所)による最終認定を必要としています。
新たに承認された7品種
- 赤ワイン用 4品種: アリナルノア、カステ、マルセラン、トウリガ・ナショナル
- 白ワイン用 3品種: アルヴァリーニョ、リリオリラ、プティ・マンサン
7品種の特徴
赤ワイン用品種
「アリナルノア」
タナとカベルネ・ソーヴィニヨンの交配から1956年に生まれた、安定した生産量が望める品種。灰色かび病に対する耐性がある。気候変動に上手く適応し、糖度が低く、程よい酸味を持つ。複雑なアロマが長く続き、タンニンの渋味が特徴で変化に富む、構成がしっかりしたワインが出来上がる。
「カステ」
フランス南西部原産。歴史が古いながらも長らく忘れ去られていたボルドー固有品種で、灰色かび病や、ベト病、特にウドンコ病の被害を受けにくい。多彩な表情を見せるワインは熟成に適している。
「マルセラン」
カベルネ・ソーヴィニヨンとグルナッシュの交配から1961年に生まれた。晩熟タイプで、遅霜の被害を受けにくい。気候変動に適応し、灰色かび病やウドンコ病に対する耐性がある。ワインは高品質で多彩な表情を見せる、他種と一線を画すさまざまな特徴を持ち、熟成に適している。
「トウリガ・ナショナル」
ポルトガル原産。収穫期が遅く、気候変動に上手く適応できる。品質に優れ、複雑さと香り高さが特徴で変化に富むフルボディーのワインは、骨組みがしっかりしており、多彩な表情を見せ、熟成に適している。
白ワイン用品種
「アルヴァリーニョ」
際立つアロマティックな特質を生かし、暑い気候によって生じる風味の損失を補う品種として期待されている。天候不順への適応能力を持っており、灰色かび病に強い品種。繊細で香り良く、程よい酸性度を持つワインに仕上がる。
「リリオリラ」
バロックとシャルドネの交配品種。アルヴァリーニョと同じくアロマティックで、通常暑い気候が原因で起こる風味の損失を補う品種として有望視されている。灰色かび病に強い。花のような香りが特徴の芳醇で力強いワインが出来上がる。
「プティ・マンサン」
ピレネー=アトランティック県原産。晩熟タイプで、灰色かび病に対し優れた耐性を持つ。アロマティックで、出来上がるワインは純粋に上質でふくよかな甘みが感じられる白ワイン。かぐわしいアロマが心地よく持続する。
(出典:ボルドーワイン委員会(CIVB)ホームページ https://www.bordeaux-wines.jp/magazine/201909_climate)